代表者挨拶

私の実家は、群馬県前橋市の東部で代々農家を営んでいます。

現在も父母は、ビニールハウスでトマトを栽培し、直売所や地元のスーパーに「たっちゃんトマト」として自ら持ち込んで現役で頑張っています。

 

子供の頃は、「百姓家のせがれ」と友達にからかわれたり、庭先でやぎや、鶏、豚なんかも飼っていたものだから「達徳は、やぎのお乳で育った」などと言われるのが嫌で嫌で仕方ありませんでした。

 

父母も、朝から晩まで、いえ、明け方から夜中まで働き詰めで子供の頃は、一緒に遊んでもらった記憶もありませんでした。

家業の農業が大嫌いだったので、地元の工業高校を卒業後は、型枠大工をしておりましたが、腰を壊してしまい、型枠大工の仕事は断念。その後、営業職をしておりました。どちらの仕事も楽しくはありましたが、何か自分の求める物とは違う、そんな事を思うようになりました。

 

仕事の休日に父の仕事を手伝っている中で、子供の頃、嫌で嫌で仕方のなかった農業にのめり込んで行く自分がいました。田舎とは言え、前橋という土地の限られた市町村で、将来継続的に農業を営んで行く為にと行き着いたのが水耕栽培でした。

最初の二年は、無我夢中でみつばを育てては、農協へ出荷する事に専念していましたが、三年目の年末に市場相場が上がらず、経営にも影響が出かねないくらいの収支になってしまい、JAへの全量出荷の経営体質からお客様との契約栽培にシフトすることにしました。

ところが契約栽培を始めてみると、お客様にみつばを気に入って貰えても届ける便がない。例え便があっても、みつばの単価よりも運賃が高く付くなど、ロットとの戦いが続きました。

そんな中、ある外食チェーンさんから「今度新規業態で長葱をたくさん使うのだが長葱の生産者さんがいたらみつばと一緒に送ってよ」と言われ、ああ、一人では何もできないけど仲間と一緒にスクラムを組めば日本で名前の通った外食さんとも取引して行ける、従来のJAや仲卸に頼りっぱなしの販売ではなく、お客様のご要望にもっと応えることのできる販売ができるのではないか」と気づきサクラクラブを設立させて頂きました。

 

サクラは、何時かは散ってしまうもの。私たちの命も何時かは散ってしまいますが、どうせ散るなら綺麗な花をパッと咲かせて散りたい。でも、私たちの子供や孫にも花を咲かせられる土台を残してあげたい。そんな気持ちで未だに日々格闘しております。

 

ALL FOR AGRI    AGRI FOR HUMAN

 

僕たちの全ては、農業のために。人類のための農業を。

 

有限会社 サクラファーム 代表取締役 青木 達徳